日本フォーカシング協会

会長挨拶

会長 内田利広

 2019年4月1日より会長を務めることになりました。これまでフォーカシングを日本に紹介し、発展させてこられた諸先輩方の後を受けて、この職をお引き受けすることは、大きなプレッシャーであり、躊躇するところでもありました。

 私は、九州大学在学中に、村山正治先生のもとで指導を受け、その際にフォーカシングと出会いました。その後、関西に転居してからは池見陽先生の研究会に加えていただき、私の関西での臨床・研究のベースとなりました。さらに、毎年行われる協会の年次大会(集い)では、全国のあちこちに出かけて行き、そのたびに多くの仲間に出会うことができ、また多くの刺激を受けてきました。このように、長きにわたり、多くの人との出会いをもたらし、支えてきてもらったフォーカシングの世界、そしてこのフォーカシング協会に対し、少しでもお役に立てるのであればということで、今回お引き受けすることにしました。微力ではありますが、よろしくお願いいたします。
 
 日本におけるフォーカシングは、1978年にジェンドリンが初めて日本にやってきて、全国各地で講演やワークショップを行ったときから始まったといわれています(詳しくは、本協会の「日本フォーカシング協会の成り立ちと発展」を参照)。

 日本フォーカシング協会は、その後全国各地にあったフォーカシング・コミュニティが母体となって、1997年に発足しました。それからすでに20年以上がたち、協会はさまざまな形で、発展・充実をしてきました。なかでも、この協会の特徴は、協会メンバーそれぞれが、主体的にニュースレター編集グループ、国際交流グループ、教育研修グループの3つのグループのいずれかに所属し、そのグループの中で役割を果たし、協力し合いながら、この協会の活動に直接に参加していただいていることだと思います。このように協会は、専属の事務職員等がいるわけはなく、運営委員も含めてそれぞれが、自分の仕事や日常の生活を送りながら、この協会ためにみんなが少しずつ協力して、運営してきていることをまずはご理解いただき、積極的な参加、協力をお願いしたいと思います。

 さて、社会に目を向けると、学校におけるいじめや不登校、職場での長時間労働や過労死、子育てに悩んだ親の虐待や家族の機能不全、そして精神的な疾患を抱えた人々の苦悩など、多くの課題が山積しています。このように多くの人が心のバランスを崩し、悩み、苦しんでいる状況にあって、フォーカシングが少しでも人々の心を癒し、心の健康につながればと願っています。そのために、協会では、年次大会での情報交換と交流を深め、またウェブサイトでは多くの研修会やワークショップ等の情報を発信しています。1人でも多くの人にフォーカシングを知っていただき、また体験をしていただくことが、人々の心の健康につながると信じていますし、そのように人と人とを繋いでいくことが、本協会の目的であると思っています。

 これから3年間、多くの方にお世話になりますが、よろしくお願いいたします。